(4)スペースシャトル

 スペースシャトルは、ジュング氏がモーターグライダーと主張してやまない本体のオービターと、外部タンク、2本のブースターで成り立っている。3基のロケット・モーターと2基のブースターで地上を離れ、滑走せずに垂直に上がるのだが、ともかくセルフ・ローンチだ。オービターは仕事が終われば滑空して帰って来る。
3基のメーン・ロケットは発射時に、それぞれが170トンの推力があり、3基でトータル510トンを出す。宇宙ではさらに増え、640トンに達する。エンジンの推力は必要に応じて65%から109%まで制御可能で、55回のスタートと7.5時間の寿命がある。


Great Images in NASA

 ブースターの推力はそれぞれ1,500トンで、エンジン全開の時85%の推力はブースターが出している。シャトルの全備重量は2,043トンなので、発射時の加速能力は1.72Gであるが、急速に燃料を消費するので鰻登りにGは大きくなる。しかし搭乗する人の乗り心地を考えて、3Gで制限されるという。ちなみに降りて来るときのGは1.5だそうな。
グライダーの一般的な設計基準では+5.3G-2.6Gになっている。アクロ専用のスイフトなぞは、+10G-7.5Gで目を剥く。アクロバットでは5Gくらいはかけるから、専用機にはGメーターがあるのが普通だ。私のクラブの複座機にも生意気にGメーターが付いている。見た目には貴公子だが、やることはハードなのが貴族の特徴だ!?。それに較べればオービターの3Gや1.5Gはむしろ優しい。だんだん普通の人が乗れるプロセスになっているのだろう。
軌道を飛んでいるとき、オービターは明らかに宇宙船だ。ハッチを開けてカーゴをマニュピュレーターが掴んでいるのを見て、モーターグライダーだと頑張る気にはなれない。


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「向井さんが飛んでるとこ見た?軌道上の速度28,300km/hだってよ。あれやっぱり宇宙船だよ」 「降りるとこが大事なんです!やっぱりグライダーです!」

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