研究室(9)何でかな何でかな

 サラリーマンにとってゴルデンウイークが何より嬉しいのは休みが続き、何となく飛べる期待が持てることだ。事実田ンぼに水は張られたものの、まだ飛べる時期でもある。
サーマルトップの予測を立てるほうもそんな期待に応えたいと思う。なるべく予測の結果が好くて、今日飛ぼうとしている人がハッピーならばと思うのだ。
2003年の5月3日は推定のデータが思わしくない。予測のサーマルトップは10:00で700m、12:00で800m、14:00で900mだった。しかし報告されたトップは1,300m、推定の144%になる。ハズレはハズレだが嬉しいハズレだ。
次の4日は10:00で1,200m、12:00で1,400m、14:00で1,500mと推定された。喜び勇んで予測を出したが、報告されたトップは何と900m。ハズレもハズレ大ハズレだ。しかも悪い。呆然とした。
予測には関宿のデータが要る。もちろん関宿にそんなものがあるはずはないから、最寄の気象観測点のデータで近似させようというわけだ。探すといちばん近い観測所は越谷である。甚だ都合の良い場所に観測所があると喜んだら、そうは問屋が卸さない。サーマルトップを予想するにはデータが足りない。
サーマルトップを予想するには気温と露点が必要である。気温は越谷でも得られるが、露点となると簡単ではない。データがあるのは東京か熊谷になる。東京は特別な都市だから仕方がない、近似点を熊谷にしよう。それにしては遠いなぁ。
気温といっても朝6時にサーマルトップを推測するから、10時とか12時とかの推定をしなければならない。そこで統計を取り、日変化を推定する方法を考えた。まず最低気温と最高気温の差を計算し、無次元化して演算しやすくする。最低気温は6時の気温とし、最高気温は気象協会が発表した最高気温として推測する。時刻は15時に固定した。
露点は熊谷の気温と湿度から算定し、同じように統計を取った。朝6時の露点を基準すると、変化はあまりないことが分かった。水田に水を張る以前が-2℃、水を張ってからが-1℃くらいである。
さて5月4日が何で大きくハズレたか、データを見直したが原因が分からない。分からないとはいえ気になる。気にはなっても現在はこれまでだ。この1ケ月の予測を調べてみたら次の表のようになった。良い予測か悪い予測かの判断はクラブの諸君に任せよう。


サーマルトップの予想と実績

月 日 12:00(m) 14:00(m) 実績(m) 備考
4月27日 700 800 800 100%
4月29日 800 800 900 100%
5月03日 700 800 1300 144%
5月04日 1400 1500 900 66%何でかな
5月05日 700 800 800 100%
5月25日 1100 1200 1200 100%

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